夜、連続模型の稽古に合流しようとしたら、少しだけあおりを食らった。
来る予定だった、舞監の榊原さんは合流できなくなり、打合せは日延べ。
稽古も開始が遅れて予定通り進まなかったらしい。
稽古後、演出の木村さんとだけ打ち合わせ。
美術プランの大まかな方針が固まる。
まだ盛り込みすぎている感があるので、予算や時間・手間とのバランスで取捨先端は必要。
もう少し色々な物の購入先や値段を調べて検討する必要がある。
今回は、そうやって調べるものがいつもより多い気がする。
12日に通し稽古があるとのことなので、それを見た上で決定に進めたいところ。
打合せつつ、やや脱線した話でも盛り上がり、終電をなくす。
仕方なく途中で漫画喫茶に落ち着く。
今日は昼間、移動のロスを減らし、電源とネット環境がほしくて一回漫画喫茶に入ったので、一日で二回目。
もったいないので、映画の一本も観る。
気がついたら、この24時間で、漫画喫茶に二回入り、映画を3本観ていた。
偏食する性質ではあるが、しかし。
漫画喫茶はすでに都市生活に欠かせない社会インフラになっていることを最近強く感じる。
映画、連続模型のプランの参考に「ALLWAYS 三丁目の夕日」と山田洋次監督「家族」を観る。
最新技術を駆使して「昭和」を再現した映画と、当時リアルタイムにドキュメントの手法で撮った作品、という取り合わせ。
共通する部分と、圧倒的に違う部分を考えることで、「昭和」を描くためのキーや、映像としてのリアル・リアリティに関して多くのことを発見できそうだ。
「家族」のほうは過去に一回観ていた作品だが、予想以上に印象強く多くのことを覚えていた。
最初観たときすでに古い映画であったことを差し引いても、現在観て色褪せてないのが驚きだった。
返却するまでにもうちょっと観直そう。
そして、漫画喫茶に入ってせっかくなので、前から気になっていた、三木聡監督「亀は意外と速く泳ぐ」を。
意識的な配色がポップ。
ナレーションの使い方・カット割り・構図のセンス・ユーモアの効いた言い回しや切り口・主人公のキャラクターが負っているモチーフ、といった数々の映画の文法ともども、「アメリ」との共通点を感じる。
しかし、こちらのほうがよりヴィビットな色使いや、フィクションが強い遊び方で、ややキッチュ。
演劇的・舞台美術的なアプローチの強いビジュアルに仕上がっていると思った。
より「シュールな笑い」にも寄っている。
映画全体が、ナンセンスと呼ぶのにギリギリ、絶妙な匙加減のコメディであることと、最低限現在の日本であるという世界観を踏み外さないことで、こういうフィクションが強い遊び方もOKになっているのだろう。
エンドクレジットによると「三浦」なのであろうロケ地もまたよい。
「木更津」「下妻」とか最近、東京近郊の微妙な位置の町を舞台にした作品に面白いものが多いのには何か理由がありそうだが。
エンドクレジットによると、意外と文化庁の助成を受けていたりするのも発見。
映画でも演劇でも、そういう努力しないとなあ、と感心。