舞台美術プランとか劇場スタッフとか、

かつては写真とかもしてきた、松本謙一郎のサイト。


今(2010年〜)はもっぱらツイッター( @thinkhand / ログ )で、ブログとしては更新してませんが。
最近は主にもろもろの告知とアーカイブ、ポータル的編集記事など。

2008年あたりは、割と色々書いてます。






























リサーチの日

ほぼ始発で帰宅、若干の仮眠のあと、連続模型「モテイトウ」で入るシアターシャインへ。
団体が劇場入りする前に軽く下見に行く。
30分程度なので、こまごま採寸する時間はなく、重要なポイントを実測するのと、気になるポイントをチェックするのみ。
今回は、その程度で問題ないアバウトな美術プランで進めてもいるので。
そうではあっても、過去の記憶や図面だけでなく、実際に空間を見て発見したり、感じたりすることは重要なので劇場さんに無理を言って団体の入り前に下見をさせてもらった。
劇場の中だけでなく、環境を知ることも大事。
駅からの道のりや、周囲の街は公演への重要なアプローチとなる空気をつくっていたりする。
行きは丸ノ内線で南阿佐ヶ谷から。帰りはパールモール商店街を通ってJR阿佐ヶ谷駅へ歩いてみた。
JR阿佐ヶ谷からアルシェあたりは、(アルシェに)何回か入っているので知っているが、南阿佐ヶ谷界隈はなじみが薄かったので色々散策する。

劇場に入ってから舞台装置がらみで購入する可能性がある物を買える場所など要チェック。
観客の視点で、気になる店や街の雰囲気もチェックする。
何を思いつくわけでなくても、まず空気を感じる。

あと、数日ではあれ通うことになる街なので、楽しみにできるものを探す。
飲食店とか。
どこの街であれ、せっかく来たついでにあれを食おう、とかあると俄然楽しくなる。
たとえ珍しくないチェーン店でも、最寄り駅や普段の行動半径にない店なら充分。
阿佐ヶ谷駅北側だと、海鮮丼屋、たこ焼き屋。アルシェの近くに「はなまるうどん」なんかはすぐに思いつく。
現場の弁当は揚げ物と米で重たくなりがちなので、劇場近くでうどんが素早く食べられるのはなかなかよい。

阿佐ヶ谷から、中央線で新宿に出てハンズに寄ってみる。
ふだん、舞台美術プランのために、、、といってあまり立ち寄る場所ではない(ホームセンターや専門の金物屋のほうが安くてプロユース。目的に適う物が多い)ので、こういう時間のある時に寄ってみる。何か知らない新しい、面白い物が出てないかのリサーチ。

さらに、タイル素材について漠然と考えていたので、ついでにINAXのショールームにも立ち寄る。
ちょっと今回思っていたような物はなかったが、こうやって通ううちに現物のイメージや質感を頭の中にストックする。
ショールームに行くと、ネット上ではわからない生の感覚や、ホームセンターなどでは扱っていない商品の情報がリサーチ出来る。

ついでに川崎まで足を伸ばし、ラゾーナ川崎に出来たと聞いたもののまだ行っていなかったユニディに行ってみる。車だと五反田の工房(六尺堂)から、実は便利な距離であると仲間うちから聞いてはいたのだが、品揃えがわかっていないと実製作進行中で頼りに出来る店にならないので、この機会にリサーチ。
ふだん使っている豊洲のビバホームにないものもあるが、全体に一回り品が少ない印象。
電車移動と自分の行動範囲からすると、豊洲のほうが便利か。
しかし、巨大な複合施設は本屋や家電量販店、100円ショップなどもそろっていて広大。
ついつい色々見てしまうのは楽しいが脇道にそれるのが危険。
生活圏にあれば、かなりの便利さだろう。

工房までの交通の便を実際に確かめるように、一旦工房へ。
若干のデスクワークののち、連続模型「モテイトウ」の通し稽古を見るべく三鷹の区民集会施設へ。
一部ビデオではあったが、通してみて全貌が見えた。
4本オムニバスの各チーム、お互いを知らないまま、初めて第三者(他のチームやスタッフ)に見せるのが、いい意味での緊張になって、ちょっとしたワークインプログレスとしての効果をなしていた。

総合演出やそれぞれの連携が難しくはあるが、無理な長編を一本つくるより、まとまった短編を各パート緊張感と互いへの客観視をもってつくるオムニバスは、作品を向上させる利点が色々あるように思えた。
いい状態のカンパニーだと、場面の多い群像劇なんかを、これに近い稽古場・団体運営でやっているかもしれない。