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2009年7月8日

アールパネル / 色に悩む

工房にてマグネシウムリボン「ジャック」装置製作作業初日。

細部のディテールには、まだ詰める余地があるが、平面のほうは固まっているので、まずはダメ台(割台)の天板やパネル系のものなど、板材(面材・合板)の切り出しから始める。

パネルソーでは切れない角度が多く、丸鋸で切ることにするが、新規に定規をつくるところから始めないといけなかったので、やや手間取る。
丸鋸定規は簡単に自作出来るものだが、ちゃんと作らないと作業精度が出ず、たまに作り直してやらないと狂いが発生するので、これは必要な手間。

後半にかけて出演者の手伝いなどが入るので、まずはあんまり人数でかかれなくて、仕上げ〜塗りなど手伝いに降りやすい工程にまわせるアール(曲面)パネルの製作を片づける。
今回は、自分でもやってみていない方法。ちょっとした工夫を試してみる。


大道具製作ではおなじみの、ベニヤと釘で作れるいい加減なコンパスで曲線を描く。
半径1200mm。
このくらいならいいが、このくらい(舞台前面)大きくてゆるやかだと場所をとるので大変。
ジグソーでカットしている画もおなじみなので省略。









曲面パネルの面材としては、このくらいゆるやかだと普通の並(2.5mm)ベニヤが使われることも多いし、曲がりベニヤ(曲がりやすいように繊維方向をクロスにしないようにつくられた合板。過去、航空機の翼などに使われていたので航空ベニヤと呼ぶとも聞いたことがある)を使う場合もある。
今回は、ベニヤではなく、曲がりやすい性質の2.5mmMDFを試してみた。

MDFは、木質繊維を粉末にして固めたもので、見た目や性質はボール紙に似ている。
塗装せず生成りで仕上げても、質感が滑らかでクリーンなイメージ。
クラフト感ある仕上がりになる素材でもある。
今回は塗装するが、木の目が出ない(下地塗りや、紙張りしないで済む)メリットがある。

並ベニヤより曲がりやすく、竜骨(写真両端の、アールにカットした部材)を両端に入れて、縦の骨材を入れるだけで形に出来るものになった。
並ベニヤによる製法だと、もっと竜骨を間に入れて、縦の骨を通すのにも手間をかけることが多いように思う。組上げも、3×6(尺 / 909mm×1818mm)程度で、20〜30分弱。

MDFが柔らかくて、タッカーが抜けやすいのと、よく曲がりすぎて竜骨の曲線の些細な誤差にも従ってしまうのはデメリット。注意が必要だった。
並ベニヤ程度、強度があるとテンションだけできれいな曲線を描いてくれたりするのだが。
まあ、とりあえず実験。

夜には、杉の幅広板の塗装をテスト。


なんか、こうではないのではないか、悩む。
こういう古民具調にいい感じ、とかいうのだと、やり方もなれているから楽に条件反射で出来るのだが。
今回の狙いは、もっと微妙なコース。いい感じに手入れの入った質感ではなく、いい感じに手入れされていない野ざらしの質感。
自分でも試してみないと、イメージはあるのだが確たる絵としてつかめていない感もあるから、より迷う。

装置の仕上げを「絵で仕上げる(ディテールを、平面的な絵画的手法で描いて表現する)」タイプの美術家、美術プランなら、迷わず描くのだと思うが、それはやりたくないし得意でもない。
そういう舞台装置があまりに多いのだが、もっとリアルな質感や素材感にこだわっていいと思うのだ。

素材感を生かすため、木の目を殺さないように、塗ってつぶさないように、うすくした水性ステイン系の塗料と、かなりうすくといたペンキを何度もかけてみる。
結果、乾いてみないと仕上がりがわからず、板一枚一枚の個体差に仕上がりが左右され、翌日から来る出演者の手伝いにお願い出来ないくらい塩梅を必要とすることがわかり、悩む。

同時進行で、アトリエヘリコプターの壁に塗る色をつくるが、オーダーである既存壁面に合わせるのが、これまたなかなか合わず、苦戦する。

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