舞台美術プランとか劇場スタッフとか、

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2008年あたりは、割と色々書いてます。






























2009年7月4日

全貌としがらみが見える

マグネシウムリボン「ジャック」、初通し。
通し稽古を見ながら、図面を引く。検討する。
衣装もそろい始め、音響も入って、作品の輪郭がはっきり見えてきた。



画面上にたくさんの線が引かれているのは、色々な客席からの見切れ線だったり、役者の導線の確保・ホールの壁面の形から導き出した線。
こういう感じに線を引いて美術プランを練っていく、作図していくというやり方はあんまり他にやっている人がいるのかどうか知らないが、自分の場合はプラン中のある段階で、「いろいろな事情」の線だらけになることがある。

いろいろな制限や、守るべきもの(作品イメージ、設定のつじつま、役者の動き、見えなければならない、見えてはならない、など)の関係で、ものの位置が決まってくる。
あと、予算や時間。
経済寸法や、流用出来る部材とか、色々なことを同時に考える。
こういったものの「しがらみ」で美術プランは出来ていると言っても過言ではないと思う。
「しがらみ」の末、図面上にここでなくてはならないというポイントが見えてくる。

台本があがったり、通し稽古の段階になって作品の全貌が見えると、やるべきことを拾える、というよりもやらなくていいことが明確にカット出来るような感覚がある。
見えないうちは、可能性が広くてつかみどころがない。
何もない状態で、何か思いつくことは、きっといくらでもできる。
ただ、決めることが出来ない。
制限や条件と、目的に対して必要最小限に削り込むことで、プランが進む。
台本や演技も、通してみた結果、目標の時間に削り込むのがここからの課題。

「余分な間は詰めて、とるべき間はしっかりとる」

というのは、どこの稽古場に行ってもよく聞く言葉だ。
どこが余分な間で、どこがとるべき間かは、作品の全体像とのバランスで測るものだと思う。
そのためには全貌の把握は重要。

稽古後、作演出の塚本さん、舞台監督の田中さんと打ち合わせ。
おそらく、自分が稽古場に来ることが出来るは最後なので、クリアでない部分も残しつつ、出来るだけのことを直接話す。
直接話しておけることの情報量や安心感は大きい。

美術プラン的には、装置の実製作や現場での施工に向けての細かい調整段階。
一点、決めきれていないポイントを残したが、これは他の箇所の作業で素材と向き合いつつ決める感じの宿題となった。

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